PASMO・Suica の利用履歴にバス停名が載らないのはなぜ? 交通費精算での対処法
公式情報の確認日: 2026年10月25日
この記事のまとめ
- PASMO の利用履歴では、バスの利用は「バス等」とバス事業者名で記録されます。バス停名と利用した時刻は載りません(PASMO の公式案内)。
- そのため、交通費精算でバス停名を求められたら、利用者が自分で記録しておく必要があります。
- 方法は、その場でメモする、通勤経路として届け出た区間で精算する、位置の記録を使う、などがあります。それぞれの手間と確実さを比べました。
利用履歴に載るもの・載らないもの
PASMO の公式サイトでは、残額履歴(利用履歴)に表示・印字される項目として、次のものが挙げられています。
載るもの
- ご利用日
- ご利用内容(種別。「入」「出」「バス等」「物販」など)
- 運賃を減額した区間(鉄道の駅名)
- バス事業者の名前(バスに乗車した際)
- SF 残額(利用後の残高)
載らないもの
- 利用した時刻
- バス停名(乗車・降車とも)
- お店の名前・買った商品(「物販」とだけ載る)
- 定期券の区間内での乗り降り
- バス利用特典サービス(バス特)の利用分
「バス等」は、バス(IC 運賃機)で利用したことを表します。鉄道では駅名が載りますが、バスについて載るのは事業者の名前までです。 また、公式サイトには「利用された時刻は、表示・印字されません」と明記されています。同じ日にバスに何度か乗った場合、どれがどの便だったのかを履歴から見分けるのは難しくなります。
実際にモバイルPASMO の会員メニューサイトからダウンロードした利用明細 PDF でも、バスの行は種別が「バス等」、利用駅の欄はバス事業者名だけでした。運賃が 200 円の行と 220 円の行がありましたが、どちらも同じ表示で、どこからどこまで乗ったのかは分かりません。
Suica についても、JR東日本のモバイルSuica の案内では、バスの利用はバス事業者名で表示されるとされています。
なぜバス停名が載らないのか
理由について公式な説明は見当たりませんでした。以下は、公式の案内から読み取れることにもとづく推測です。
- PASMO の公式サイトでは、利用履歴を「残額履歴」と呼んでいます。その名前のとおり、残高がいつ・何によって増減したかの記録です。項目も、残高の増減を説明するもの(日付・種別・金額・残額)が中心になっています。
- 都市部の路線バスには、どこから乗っても同じ運賃の路線(均一運賃)が多くあります。こうした路線では、運賃を決めるのに乗車したバス停は必要ありません。ただし、乗る区間によって運賃が変わる路線でも、履歴に載るのはバス事業者名だけです。
いずれにしても、利用者の側でできるのは「履歴に載らない情報を、自分で残しておくこと」です。
交通費精算でバス停名を求められたら
会社によっては、交通費の精算書に、電車の区間と同じようにバスの乗車・降車バス停を書くよう求められます。利用履歴だけでは書けないため、次のような方法がとられています。会社の規程によって認められる方法は異なりますので、まずは経理・総務の担当者に確認してください。
1. その場でメモする
バスを降りたら、手帳やスマートフォンのメモに日付・バス停・金額を書き留めます。費用がかからず、どこでもできます。 一方で、書き忘れると後から思い出すのは困難です。特に、現場が日によって変わる仕事や、同じ日に何度も乗る場合は負担が大きくなります。
2. バス停の写真を撮る
バス停の標識を写真に撮っておくと、撮影日時とともに残ります(設定によっては撮影場所も記録されます)。 メモより確実ですが、毎回立ち止まって撮る手間がかかります。
3. 届け出た通勤経路で精算する
通勤のように毎回同じ区間であれば、会社に届け出た経路(乗車・降車バス停)をそのまま精算に使えることがあります。バスの定期券を購入して、定期代として精算する方法もあります。 ただし、経路が毎回変わる出張や外回り、現場ごとに行き先が変わる仕事には向きません。
4. スマートフォンの位置情報の記録を使う
スマートフォンの位置情報の履歴機能を有効にしておけば、後から移動の経路をたどれます。 ただし、常に位置を記録し続けるため、交通費の精算に必要な範囲を超えた移動の記録が残ります。また、履歴から乗車・降車したバス停を自分で読み取る作業が必要です。
5. バスログを使う
バスログは、この問題を解決するために作っている交通費精算サービスです(現在、テスト版の参加者を募集しています)。
- iPhone のショートカットが、PASMO をタッチしたときだけ、その時刻と位置をバスログに送ります(常に位置を追跡することはありません)。
- 月末に、モバイルPASMO の会員メニューサイトからダウンロードした利用明細の PDF を取り込みます。
- 記録した時刻・位置と明細を突き合わせ、「バス等」の行に乗車バス停と乗車時刻を付けます。バス停の近くのコンビニでの買い物は、明細上は「物販」になるため、バスとは区別されます。
できないこと・注意点も挙げておきます。
- 現在の対象は、iPhone の Apple Pay で PASMO を使っている方です(Suica・Android は対応を検討中です)。
- 最初に、ショートカットとオートメーションの設定が必要です(数分ほど)。
- バス停名と時刻が付くのは、記録と突き合わせられた行だけです。設定する前の利用や、記録が届かなかった利用には付きません。
- バスログの明細は、利用者がアップロードした資料をもとに作るもので、交通事業者による証明ではありません。
方法の比べ方
| 方法 | 手間 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| その場でメモ | 毎回書く | バスに乗る回数が少ない |
| バス停の写真 | 毎回撮る | 記録を確実に残したい |
| 届け出た経路で精算 | 最初の届け出だけ | 毎回同じ区間(通勤) |
| 位置情報の履歴 | 後から読み取る | 移動の記録が残ってもかまわない |
| バスログ | 最初の設定と月 1 回の取り込み | 行き先が毎回変わる、乗る回数が多い |
参考: モバイルPASMO の利用明細 PDF の取り方
Apple Pay の PASMO・モバイルPASMO では、会員メニューサイトから利用明細を PDF でダウンロードできます(公式案内より)。
- 会員メニューサイトにログインし、「会員メニュー」画面の「ご利用明細書(領収書)払戻計算書」から操作します。
- 表示対象として指定した日以前の 100 件を表示できます。
- 当日分と、利用から 26 週間を過ぎた履歴は表示できません(前日分まで)。
- 利用できる時間帯は 5 時〜0 時 50 分です。
26 週間を過ぎると取り出せなくなるため、交通費精算に使う場合は、毎月ダウンロードして保存しておくと安心です。 なお、PASMO カードの場合、券売機で表示・印字できるのは直近 20 件まで(一部の鉄道事業者では、26 週間以内の最新 100 件まで)です。
出典
- PASMO「残額履歴の確認|PASMOカード」
- PASMO「残額履歴やご利用明細等の確認|Apple PayのPASMO」
- PASMO「残額履歴やご利用明細等の確認|モバイルPASMO」
- JR東日本「モバイルSuica」利用履歴の確認についての案内
記事の内容は、上記の確認日時点の公式情報にもとづきます。最新の仕様は各社の公式サイトでご確認ください。 「PASMO」は株式会社パスモの登録商標です。「Suica」は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です。 バスログは、株式会社パスモおよび東日本旅客鉄道株式会社とは関係のない、独立したサービスです。